違和感を感じた用語の確認方法 反省編①

勉強時間 10H

光学フィルムの明細書の対訳収集中にあれっと思った表現について
長くなりますが書いておこうと思います。

フィルムを作成するために、材料であるポリマーを押出成形する工程の説明部分です。
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The resulting web is then cast onto a chill roll, sometimes referred to as a casting wheel or casting drum.
公開訳:次いで結果として生じるウェブを、鋳造ホイール又は鋳造ドラムと称される冷却ロール上で鋳造してもよい。
※ウェブはフィルムが巻き取られた製紙ロールのようなものを指していると思います。
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この文章を読んだ時に、違和感を感じたのが「鋳造」

納得できる解にたどり着くまでにだいぶ遠回りして調べてしまったので、
思考プロセスを恥さらしで書いてみますね。
最後に、今回のケースはこう調べれば良かったのでは?というのも書いておきます。

まず、「鋳造」と言う言葉から私がすぐに連想したのは
「町工場でおじさんが高温でオレンジになった金属を流し込んでいる姿」です。

●castの意味を確認
フィルムにそこまでのことはしないでしょうから、
とりあえず自分のイメージが間違っていないか確認するためcastの意味を調べました。
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to make an object by pouring hot liquid, such as melted metal, into a shaped container where it becomes hard
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Cambridge dictionary online
→やはりイメージ通りであることを確認。

今回のcastはただ”流し込む・注ぐ”ってイメージなんだけどなーと思いつつ、
それにあたる意味がcambridge dictionaryには見当たらず、
発明者がワードの選択をミスったのかなと言うのも合わせて考え始める…。

●castの用例を確認
castだけであれば型にはめて成形する用例が多そうなので、google patentで
“cast onto”で検索。
フィルムやスラリーやポリマーを「cast ontoする」という表現が
多く使われていることが分かり、英語の選択ミスではないことを認識。

さてどう訳すのか…。

●castを辞書で引く①
試しに、先日購入した研究社の英和大辞典を開いてみる。
鋳造のほかに、(目線など)を注ぐ などの訳を発見したものの決定打に欠ける…。

●castを辞書で引く②
次に小倉書店さんの和英大辞典。ありました!
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cast:流し込み〔鋳物・樹脂の〕
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やはりそうだと喜びそうになったものの、で、どう訳すのかという問題が。

●用語を仮確定して検索①

これまでの調べる過程で、”流延”というワードがあることを知ったので、
「流延 フィルム」で検索。”流延法”は結構使われているけれども、
流延の使用例は少ない模様。
間違いではないと思いますが、何となくしっくりこないので保留。

●用語を仮確定して検索②
試しに「キャスト フィルム」で調べてみると、ヒット数多!
各企業のHPでも「フィルム材をキャスト成形」「フィルムのキャスティング法」
などと使用されていました。日本語の明細書でも多く使用されています。

→と言うことで、今回のcastの訳はキャストに決定。

でた結論はおそらく間違いではないので良いのですが、かなり遠回りをした
調べ方をしてしまいました。。
もっと聞いたことのないような難解なワード・フレーズの場合や、こんな意味あるの!?
と思うような用語であれば、上記のプロセスでも良いような気がしますが、
とりあえずカタカナにしても使えそうな単語であれば、
まずは試しに”カタカナ 関連ワード”で一度検索してみるのが良いのでは?
と思いました…。

以上反省でした。
あと、フィルムは鋳造しないので要注意です!

<勉強内訳>
・3M光学フィルムの対訳収集

・岡野の化学
TC0044_岡野の化学(44)途中まで

・トライアル課題の事前準備
トライアル課題が送られてきました。
人が足りませんと言われていた分野とトライアル課題が全然マッチしていなくて
びっくり。分野の選択肢がかなり限られており、化学しか選びようがないため、
今回は化学分野で受験することに……。化学と言っても製剤関係?
正直未知過ぎるほど未知の分野ですが、元の特許を見つけて確認したところ
そこまで長くなく、また、知らない単語を少し調べながら軽く読んでみたところ
なんとなーーーーく分かったので、取り組んでみることにしました。
時間もありますし。

課題と元の明細書を照らし合わせてみると、
この表現ちょっと嫌だなと思うようなところは課題文としては外れていたので、
・特許文書特有の表現に慣れているか、訳せるか
・分野に即した表現ができるか、調べもの力があるか
と言うのが見たいのかなと分析。

自分の課題は主に後者なので、対訳収集もきちんとしてから臨んだ方が良さそうです。

情報収集と並行して、分野の表現にも慣れるために
関連しそうな日本語明細書をとりあえず5件集めました。

<明日やること>
・トライアル準備
・講座視聴
・セミコン準備

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