mixかkneadか

昨日の記事に説明を追記しました。

勉強時間  12H
<内訳>
・岡野の化学→2.5H

TC0059_岡野の化学(59)合成ゴム
今日は合成ゴムに関して勉強したので、日本語明細書の用例を調べてみました。

三井化学のゴム組成物に関する明細書を読むと、
知らない用語が沢山出てきたので、少し調べてノートにしました。
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[実施例1]
混練機を用いて、混練条件を回転数12.5rpmとし、<省略>を均一になるまで混練した後、加硫促進剤、加硫剤(硫黄)を添加して、均一になるまで更に混練した。

※一部省略しています
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例えば、下記の用語なんて、如何にもゴム業界用語と言う感じですよね。
混練:よく混ぜ合わせること
加硫:ゴム系の原材料を加工する際に弾性限界を大きくするため硫黄などを加える工程

混練」とは具体的に何かさらに調べてみました。 12/29補足
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混練」とは
原料ゴムを可塑化して他の配合剤を混ぜ合わせ均一に分散させる工程
<ゴム技術入門講座 第10講より>

さらに調べてみると、具体的には、以下2つの工程に分かれることが分かりました。
①素練
②混練

①素練
原料ゴムは分子鎖が長く側鎖が絡み合った状態のため、分子鎖を切断したり分子凝集をほどく(解合する)ことで可塑化させる必要があります。
そのための練りこみ工程のことを素練と言うようです。
この工程を経ることで、配合剤等を均一に混合分散しやすい状態になるようです。

この工程は「化学的にではなく、機械的に分子を切断する工程」
と自分の中で定義してみたのですが、
素練促進剤を使用した素練工程もあるようなので、定義としては、
「配合剤等と混合分散しやすいように、配合剤等を加える前にゴムを練りこむ工程」
と言った方が良いかと思いました。

②混練
原料ゴムに配合剤を添加して練り合わせる工程のことです。
配合剤は、架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤など色んな種類があり、
ゴム製品に要求される機能を付与します。

未加硫ゴムはゴムらしい弾性は有しておらず、裂いたり形を整えることは難しいようです。変形を加えても元の形には戻りません。(塑性変形)
そこで架橋剤(加硫剤)として硫黄などを未加硫ゴムと混合して加熱すると、
架橋剤が未加硫ゴム分子の二重結合部分を攻撃し、C-C部分に結合することで、
ゴムは三次元網目構造をとるようになります。
このため、変形を加えてもゴムは伸び縮みするだけで歪みは残りません(弾性変形)。

混練はこのような工程を繰り返し、原料ゴムに配合剤を均一に分散させるのが目的です。

上の簡単な説明だけでも、添加・混合・架橋・加熱・練り合わせる、
と色々なプロセスを含んでの「混練」であることが分かりました。
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ここで、「混練」の英訳はなんだろうか、
と調べてみることにしました。
そのままgoogleや辞書で調べると「knead」と言う動詞がはじめに出てきます。
英英辞典で「knead」の意味を調べると、
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knead
to press something, especially a mixture for making bread,…
[Cambridge English Dictionary webより] ———————————————————————
と出てきます。

ここで、「knead」のイメージを見てみましょう。

google画像検索すると、

 

 

 

 

この写真です。
wiktionaryの「knead」の説明には、”usually with the hands“とありました。
手でこねこねするイメージのようですね。

試しに、google patent で「knead rubber」と調べてみます。
日本をはじめ、中国メーカなど非ネイティブの明細書ばかりが出てきました。
これはおそらくネイティブは違う用語を当てているということかなと考えました。

そこで、今回は「特許技術用語集 第3版」を活用し「混練」を探してみました。
すると、「mixing,kneading」との記載がありました。

確認のため、google patentで「mix rubber」で検索してみると、十数万件がヒット。
幾つか中身を確認し、使用方法としては間違いなさそうです。

例えば、アメリカのタイヤメーカ大手Good yearの出願で、
「rubber mixer」で検索すると、3,000件のヒットがありました。

同じくGood yearで「knead」で検索すると、たった40件ほど。
しかも主にGood yearの中国拠点の中国人が書いた明細書が当たります。

*********************************************************以下12/29追加
mixの使用例を確認するために
Good Yearのゴムに関する明細書の実施例を拾ってきました。
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The rubber compositions may be prepared by mixing the elastomers(s) without sulfur and sulfur cure accelerators in a first non-productive mixing stage (NP-1) in an internal rubber mixer for about 4 minutes to a temperature of about 160° C. If desired, the rubber mixture may then mixed in a second non-productive mixing stage (NP-2) in an internal rubber mixer for about 4 minutes to a temperature of about 160° C. without adding additional ingredients…
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これもちょっと雲行きが怪しいです。

昨日は、今回のゴムのケースは混練=mixを使用した方が良い、と結論付けたのですが、混練の意味や上記用例を踏まえると、英語のmixは「混合」であっても、「混練」とは言えなさそうですね。

「混練」に確実にマッチする1つの英語を当てはめるのは難しいように思えてきました。
過去の英訳者たちはkneadと言う用語を用いることで、
「混練」の持つ「練り合わせ(=混ぜて架橋させて強度を上げていく)」の意味合いを
表現していたのかもしれません。
手でこねる」に囚われていた私はまだまだです…。

まだまだ調べるべきことは沢山ありますが、今日は一旦このへんで。

***************************************************************以上

<内訳の続き>
・トライアル 翻訳前の準備 9H
昨日トライアルが送られてきたので取り組み始めました。
課題は複数あり、すべて回答要です。
色んな分野が混ざっているので、ざっと全てに目を通して、
取り組む順番を考えました。
今日、まずは1つ目の情報収集が終わりました。
明日も引き続き取り組んで、1つ目は年内に終えるのが目標です。

<明日やること>
・岡野の化学
・トライアル

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<昨日やったこと> 7H
・ビデオ講座視聴

2178_コンテンツビジネスの明日
管理人さんの講座へのアツい思いがひしひしと伝わってくるビデオ講座でした。
講座10年間の歴史と管理人さんの重ねてきた努力に今日も思い出し涙。
(ビデオの本題がここではないのは分かっているのですが、私にはこっちの方が響いてしまいました…)
これからまた悩んだり壁にぶつかったり、ふらふらしそうになったりしたときは、この講座をまた見ようと思います。
にしても泣けますこのビデオ。
でも泣く暇があったら勉強してとっとと稼いで下さいと言う声が聞こえてきそうなので、引き続き勉強に励みます。

2179_トライアル新潮流に着目せよ!
新潮流にわくわくし過ぎて見終わった後、色んなことを考えてしまい30分くらい集中できませんでした。
いざ自分の課題としてやってきたらビビってしまうかもしれませんし、おそらく最初にこんな課題が来たら絶対無理だと思いますが、
自分の勉強の方向性は間違っていないのかな、と思えました。
今回のトライアルが終わったら今日のレビューシリーズ等を見る前に自分で試してみようと思います。
・有機感光体対訳 3H
・1月応募先検討+CV改訂 3H

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