評判は良いけど初学者におすすめではない免疫学の参考書について

生化学分野の勉強をしている人が
このブログを読んでいると言うことが分かり(ありがとう!)

分野的に直接関係はないかもしれないけれど、
上記タイトルでどうしても書きたくなったのでご紹介です。
—————-
生化学の分野では、
「休み時間のシリーズ」がとても評判が良く、
初学者にもおすすめと言われています。

私も「休み時間の免疫学」だけ持っているのですが、

休み時間の免疫学」は、
個人的には初学者にはおすすめじゃないよ、
と言うことをこの記事で説明したいと思います。

簡潔に理由だけ言うと、初心者が勉強するには、
「帯に短し、たすきに長し」
だからです。

●軽く読むには情報量過多

目次は以下のようになっており、
計272ページと充実しています。
―――――――――――――――――――――――――
【目 次】
1 細菌感染に対する防御反応のストーリー
2 細菌感染における抗体産生のストーリー
3 ウイルスに対する防御反応のストーリー
4 補体と免疫細胞
5 適応免疫に関わる物質 抗体・抗原
6 適応免疫に関わる細胞 リンパ球の世界
7 免疫による感染症の防御
8 過剰・異常な免疫による疾患のメカニズムI:I型アレルギー
9 過剰・異常な免疫による疾患のメカニズムII:I型アレルギー以外の免疫疾患
10 免疫細胞を制御するもの 分子生物学へ
―――――――――――――――――――――――――

免疫学に関しては、
取っつきやすい漫画形式の本も多数出版されており、
私も本格的に勉強する前に何冊か読みました。

休み時間の免疫学」は漫画ではないですが、
イラストも多い体裁になっていながら、

漫画系の本では対応しきれない
少し専門的だけど重要な部分まで網羅
されています。

例えば、
抗体遺伝子の再編成の過程や補体の働き
などですね。

私はEssential免疫学を勉強し終えてから
復習で「休み時間の免疫学」を読み始めたのですが、
ここまで網羅されているのか…と驚いた覚えがあります。

ただ、
この親切で丁寧な説明が、

基本的な内容と少し踏み込んだ内容の区別がつかない
初学者にとっては、

何だか免疫学って難しそうだぞ…

と挫折のきっかけになりそうなのです。

実際私は、Essential免疫学で勉強する前に
基本的な知識をつけるために
休み時間の免疫学」を使おうと思ったのですが、

何だか沢山色んな用語が出てきて混乱してきた…

となり、そっと本を閉じました。

休み時間に読めるような軽い読みものではないよなぁと
個人的には思っています。

●深く学ぶには説明不足

では、休み時間に読むのは諦めて、
この本を使ってじっくり免疫学の知識をつけよう!
とする場合にはどうでしょうか。

免疫系には、例えば、
イメージが湧きにくい単語(MHC,IFN-γ,CD8+など)や、
免疫系の仕組み(抗原提示、細胞の分化、補体の活性化など)が出てきます。

休み時間の免疫学」では、
もちろん丁寧に説明されているものも数多くありますが、
網羅的ではないのです。

例えば、
T細胞の単元P.26を見てみます。

「T細胞は表面に「抗原+MHC分子」を
認識・結合するレセプター(受容体)を持っていて…」

と記載があります。

T細胞については、複数ページにわたって、
分かりやすいイラストと共にされています。

ただ、その時にMHC分子っていったい何だろう、と思っても、

「T細胞に抗原提示する際の身分証明書のようなもの」

と言う説明しかなされていません。

あ、とりあえず身分証明書として覚えておけば良いのね、
と考えられる柔軟な方は良いのですが、

何よそれ!何がどうなって身分証明になるのよ!
重要なの?重要じゃないの?
ネットで調べろって?調べることが多すぎるわよ!

となってしまいそうな方は、

確実に消化不良になってしまうと思うのです。
(私)

※ちなみに個人的には
免疫学関連(抗体医薬など)の翻訳者であれば、
MHC=身分証明と言う知識だけでは不十分だと思います。

●まとめ

このように、

・軽く読むには情報量過多
・深く学ぶには説明不足

と言う理由から

休み時間の免疫学」を初学者の方が
勉強に使うのはおススメではありません。

とは言えこれは、
あくまで個人的な意見であり、
評判が良い本ではあるので、

気になる方は書店で一度手に取ってみて
自分に合いそうかどうか確認されるのが良いと思います。

じゃあ「休み時間」がダメなら
どうやって免疫学の勉強をすれば良いのよ!と言う方のために
以下3冊私がおすすめする本のタイトルのみご紹介しておきます。

免疫学を簡単に理解するために
好きになる免疫学
マンガでわかる免疫学

免疫学をより深く理解するために
Essential免疫学

内容については、また記事にしたいと思います。

特に、Essential免疫学は内容が膨大なので
覚悟が必要ですのでご注意ください

評判は良いけど初学者におすすめではない免疫学の参考書について」への2件のフィードバック

  1. rin

    tanakaさん
    今学習中の高校生物が免疫のところなんです!タイムリーな話題でありがとうございます!
    在職中に「好きになる~」と「マンガでわかる~」を読んだ上で、「休み時間の~」も読みました。
    電車の中でのパラパラ読みだったので、「ふんふん」とわかった気になっていたのですが。
    本気読みしなくてよかったです(笑)
    Essentialも持っているのですが、今のところこの分厚い本をどう扱えば良いかわからず…。
    ひとまず、高校レベルですがノート作りに励みます!

    返信
  2. tanaka 投稿作成者

    rinさん

    おお~!免疫学仲間ですね!

    高校生物の補足資料としてなら、
    「休み時間の免疫学」を使ってみるのも良いと思いますよ!

    私は相性が良くなかったですが、
    それでも時々はお世話になっていましたから^^

    Essentialは勇気がいりますよね、、。

    ただ一番おすすめはEssentialなので、
    これは気合を入れて勉強法も含めて
    早いうちに記事化しようと思っています!

    お互いがんばりましょう~!

    返信

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