ジェネンテック社の明細書を読み始めました。
細胞死の分析実施方法に関する記述の中で、
気になった単語heat inactivated serumについて調べてみました。
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the assay for cell death may be performed
using heat inactivated serum (i.e., in the absence of complement)
and in the absence of immune effector cells.
【US20130079272A1】
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まずはこちらのサイトを参考にしました。
細胞.jp
細胞培養をする際には、まず血清serumを添加する必要があり、
その理由としては、培地だけでは動物細胞の増殖は難しく、
ホルモンの供給や酵素からの保護などのためのようです。
ただ、細胞培養に血清は必要だけど、
非働化した血清を使いたいという場合が多いようで、
その理由としては、「補体成分を失活させるため」。
補体成分を失活させる理由としては、
補体が活性化して細胞に障害を与えるのを防ぐためです。
sigmaaldrichじっけんレシピ参照
(ちなみに、補体が細胞を崩壊させる流れについては以前にブログ記事にしています。)
以上を踏まえると、原文の内容としては、
熱非働化血清heat inactivated serumによって
細胞が活きることのできる状態を保ちつつ、
補体系による細胞障害の可能性は無くした状態で、
細胞死に関するアッセイをする、
と言うことを表現しているようです。
この流れが分かれば、(i.e., in the absence of complement)
の意味も納得がいきます。
また、非働化のためには
「56℃のウォーターバスで30分処理」するようなので、
原文はheat inactivatedと表現しているんですね。
コスモバイオHP参照
細胞死の誘導方法にも幾つか種類があるのですが、
その1つである補体依存性細胞傷害(CDC)によって誘導される細胞死
については除外するための手法が、不動化した血清を用いること
だと考えて良さそうです。
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今日の勉強時間は12H
・Essential免疫学 (勉強法を見直し、スピードアップを図る)
・大学生物学の教科書② (日曜には終わる予定)
・対訳収集
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