ファラデー定数の勉強まとめ

ファラデー定数について、岡野の化学のテキスト内であまりに説明があっけなかったので確認も兼ねてまとめてみることにしました。
勉強過程で出てきた事項も合わせて説明しようと思います。

ファラデー定数とは
手元のテキストでは、
「電子1molあたりの電気量の絶対値」
(岡野の化学p.184より)と定義されています。

molとは
復習です。
原子や分子が6.0×10(23)個分をひとまとまりとした際の物質量の単位のことでした。

電気とは
まず、「電荷をもつ電子の流れによって発生するもの」が電気と言われています。
が、何となくイメージが湧かないですよね。

とりあえず電子と電荷については、物質の最小単位である原子を見て理解しましょう。

→正の電荷を帯びた原子核
→負の電荷を帯びた電子

 

物質を原子レベルまで拡大してみると1つの単位はこのようになります。そして、どんな原子も中心に正の電荷を帯びた原子核、その周りに負の電荷を帯びた電子がまわっています。

電気を理解するために、ここで、電球が何故光るのか、を考えてみたいと思います。

・電球が何故光るのか
電球の中には「フィラメント」と言う電子が流れる導線が通っています。

フィラメントのような電気を流す物質の中を原子が見えるくらいまで拡大してみます。

導体の物質中には、先ほどの説明のように原子核と電子が存在しています。ですが、原子はしっかり固定されていますが、その周りの電子は多少ルーズで、常に原子の周りをまわっているのではなく、ふらふらした自由電子がいますね。

この物質の両端にそれぞれプラスとマイナス極をつけて電気を流すとどうなるでしょうか?
ふらふらしていた自由電子の向きが揃ってプラスの方へ流れ始めます。

この電子の流れが電流と呼ばれる電気の流れです。
電荷をもつ電子の流れが出来ることで、様々な物理現象を発生させることができます。

では、何故電球が光るのでしょうか

電球が光るのは、原子の振動が原因です。
導体中を電子が流れる際に、導体中の原子に電子がぶつかります。すると原子は振動するんですね。
この振動が激しくなり、目に見える光の波長レベルまで到達すると、私たちの目にも光が見えるようになります。

まとめると、導体中の電子が一定方向に移動することで電流が流れ、それにより発生した電気エネルギーが途中で光エネルギーに変換されて電球は光る、
と言う仕組みのようです。

電気=電荷をもつ電子の流れによって発生するもの」という説明も、何となく納得できるものになってきたでしょうか?

・電気と力の関係
電気量について理解するために、電気と力の関係についても見てみましょう。

電気が流れると力を生むことができます。

例えば導体を2本ならべて同じ方向に電気を流すと、
このように力を及ぼしあうことができます。
(この仕組みについてはまた別の機会に…)

沢山電荷が流れると、その引き合う力も強くなります。
この際の力の単位は重力と同じニュートンです。

そこで、昔の人たちは、真空中に存在する1メートル離した2本の平行な導線に同じ向きで電荷を流し、その際に導線同士が引き合う力がが2×10(-7)Nとなった時の電荷量を電流の最小単位とみることとしました。イメージとしてはこんな感じです。

この電流の単位が1アンペア[A]と呼ばれるようになりました。

そしてさらに、この1Aの電流が1秒間に運ぶことのできる電荷量1クーロンと定められました。
イメージとしてはこんな感じです。

例えば
2Aの電流を60秒流すと2A×60秒=120Cと言うことになります。
この120Cが表しているのは電流に含まれる電荷量であり、すなわち電気量のことです。

ファラデー定数とは

最初のお題に戻ります。

これまでの説明をまとめると、
・原子中の原子核は正電荷、原子中の電子は負電荷を帯びている
・導体に電気を流そうとすると導体中の自由電子が電荷を運んで電気が流れる
・電荷が流れると電気や力が発生
・ある量の電荷が流れるとある量の電気や力が発生させることができる
→電荷量=電気量

と言うことでした。

ファラデー定数とは「電子1molあたりの電気量の絶対値」のことでした。
molについても電気量についてもイメージは持てているかと思いますので、後は計算するのみです。

前提として、電子1個が持つ電荷量(電気量)と言うのを知る必要がありますが、

これは、昔の人が頑張って実験から測定した結果、1.602×10(-19)Cと定められています。単位はクーロンです。

よってファラデー定数と言われている
「電子1molあたりの電荷量(電気量)の絶対値」とは、

(電子1個分の電気量:1.602×10(-19)C)
×(電子1mol:6.0×10(23)個)によって求めることができます。
上記の式により
9.65×10(4)C/mol と導かれます。

例えば120Cの電気量のファラデーは、
120C/(9.65×10(4)C/mol)で求めることができます。

色んな電荷量(電気量)が出てきましたが、
アンペア:1メートル離れた2本の導体がお互いに及ぼし合う力が2×10(-7)Nとなる際の電荷量(電気量)
クーロン:iAの電流がt秒間に運ぶことのできる電荷量(電気量)
ファラデー:電子1個分の電荷量(電気量)
ですね。

今回はこの辺で。

私の説明もかなり分かりにくい部分はあるかと思いますが、

岡野さんのテキスト理論化学①p.185
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「はい、電気量って「それ」です。わかりますか?it(i×t)」って書いてあるでしょう。「あ、電気量って『それ』なんだ」と覚えておいて下さい(笑)
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って説明?している本もありますからね。

今回、テキストはあまり読まずに自分で調べながらノート等をまとめまして、あーやっと何とか理解できた~と思うところまで到達したところで、さて岡野さんはなんて説明しているのかな?とテキストに戻ったらこの文章で本当にビビりましたよ。。。

センター試験には不要な情報かもしれないけどさぁ…。出版費用とページ数の関係もあるんだろうけどさぁ…。先生ってそういう存在でいいんでしたっけ…。(若干涙目)

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